「カナデくんのお話、聞けてよかったですね」
「アオイちゃんは、どうしてカナデと俺らの知ってることが違ってると思ったの。知ってた? だからあんな賭をしたの?」
「いいえ。ただマサキさんから聞いて、カナデくんには聞いてないって仰っていたのでそうかなと」
「お。そういえばそうやったな」
「なので、わたしはあくまでもそうじゃないのかな? って思って、この賭にしたんです」
シオンは「まあ座って」と何故かきちんと三枚準備されていた座布団を手で指して、葵を座らせる。
葵が端からここに来ることがバレていたのかと思って、遠慮なく三人で縁側に座った。
「すみません。先にわたしからいいですか? その後答えられることであれば、あなた方にもわたしのことをお話ししますので」
葵がそう言うと彼らは一瞬目を見開いたが、二人目を合わせふわりと笑って葵を促した。
「ありがとうございます。……ここに以前、二宮道場に通っていたという方がいらっしゃいますよね」
葵がそう言うと、二人は眉間に皺を寄せる。
どうしてわざわざそんなことを聞いてくるんだと、言いたげな表情だ。
「いるよ。それがどうしたのかな」
「無礼を承知でお伺いしますが。彼らは昔、恩を仇で返したことがありますね」
質問ではなく、これは断定もしくは確定。
「……そうやね。よう知っとるな」
「彼らは今どちらに? マサキさん側の人たちではないと思うんですけど」
彼らの中にも、あそこを出た人がいたのは確かだが、マサキの下についてるんだ。そんなことはしないだろう。



