「(あ~まだ耳がキーンってなってる……)」
葵は、耳元でキサに叫ばれたので、鼓膜が破られるかと思った。
「(何をそんなに嫌がることがあったっけ。まあそもそも、胸に『感動』を求めるのもよくわからないけれど)」
(※多分それ、間違えて覚えてます)
少し逆上せてしまったのと、目元が少し赤くなっていたので、家の探検をしながら涼むことにした。ちなみにキサはというと、完全に逆上せてしまったので布団の上で死んでいる。いや、死んだように寝ている。
「(初めて見た時はすごく怖そうなイメージだったけど、結局カナデくんが大好きな人たちばっかりで、すっごいいいところだな)」
そう思いながら歩いていると、カナデの父――シオンとマサキが話しているところに出会してしまった。
「あ。お先にお風呂いただきました」
「おー。てか、そんなうろうろしとったら湯冷めするで?」
「俺が温めてあげるからこっちにおいで」
なんか、切り替え早いですね……。
温めてもらうのは、丁重にお断りしたが、少しだけ話をさせてもらうことにした。
「大勢で押しかけてしまってすみませんシオンさん。それに浴衣も、寝るとこまで準備してもらってしまって……」
「そんなこと? 全然いいのに。ああ、因みにアオイちゃんは俺と同じ布団だからねー」
……うん。血は争えないわ。
「えー。紫苑さん、俺も葵ちゃんと同じ布団がええ」
「いや、どっちにも入りませんから」
大丈夫ですかね、五十嵐組は。
心配になってしまうんですけど。



