すべてはあの花のために③


 ――浴場。
 葵たちはもう夕食は後夜祭でとっていたので、お風呂と寝床を準備してもらい、みんなで雑魚寝することになった。


「キサちゃんキサちゃん!」

「お? なになにあっちゃん」


 人の家のお風呂に入るのも初めてだったので、常にテンションが高かった。


「露天風呂だって! びっくりだね〜!」

「お、おう。ヤケにテンション高いね?」


 どうやら、お風呂は一つしかないようで、先に女性陣が戴くことに。


「だって! 友達の家にお泊まりとか初めてなんだよ!」

「……そっか。それはよかったー!」


 二人は湯に浸かって温まっていた。


「それにしてもあっちゃん。なんで知ってたの?」

「え? 何が?」


 葵はお湯をチャプチャプとしながらキサに返す。


「あっちゃんは、どうしてあたしたちが動いてると思ったの?」

「ああそのこと? ヒナタくんには言ったんだけど、知ってたわけじゃないよ? そうなんじゃないかと思っただけー」

「それでも、あっちゃんはどうしてそう思ったんだ?」

「だってー。そんなカナデくんを知ってて、みんながそのままにしておくわけがないじゃない? アキラくんの時は『見て見ぬ振りしてくれ』って言われたから、したくてもできなかったけど、カナデくんからは言われてなかったもんね? だからみんなは動いた。それでも派手には動けないから、いつカナデくんが動いてもいいように準備だけして。違う?」

「いや~あっちゃんはすごいよね! どうしてそこまでわかっちゃうんだろー!」

「……全然すごくないよ~。ちょっと考えたらわかっちゃうんだなあこれが」


 それからしばらく、あの時はこうだったーとか、この時はこうだったーとか。情報を集めた時の話をしてくれた。