――浴場。
葵たちはもう夕食は後夜祭でとっていたので、お風呂と寝床を準備してもらい、みんなで雑魚寝することになった。
「キサちゃんキサちゃん!」
「お? なになにあっちゃん」
人の家のお風呂に入るのも初めてだったので、常にテンションが高かった。
「露天風呂だって! びっくりだね〜!」
「お、おう。ヤケにテンション高いね?」
どうやら、お風呂は一つしかないようで、先に女性陣が戴くことに。
「だって! 友達の家にお泊まりとか初めてなんだよ!」
「……そっか。それはよかったー!」
二人は湯に浸かって温まっていた。
「それにしてもあっちゃん。なんで知ってたの?」
「え? 何が?」
葵はお湯をチャプチャプとしながらキサに返す。
「あっちゃんは、どうしてあたしたちが動いてると思ったの?」
「ああそのこと? ヒナタくんには言ったんだけど、知ってたわけじゃないよ? そうなんじゃないかと思っただけー」
「それでも、あっちゃんはどうしてそう思ったんだ?」
「だってー。そんなカナデくんを知ってて、みんながそのままにしておくわけがないじゃない? アキラくんの時は『見て見ぬ振りしてくれ』って言われたから、したくてもできなかったけど、カナデくんからは言われてなかったもんね? だからみんなは動いた。それでも派手には動けないから、いつカナデくんが動いてもいいように準備だけして。違う?」
「いや~あっちゃんはすごいよね! どうしてそこまでわかっちゃうんだろー!」
「……全然すごくないよ~。ちょっと考えたらわかっちゃうんだなあこれが」
それからしばらく、あの時はこうだったーとか、この時はこうだったーとか。情報を集めた時の話をしてくれた。



