「いやーアオイちゃん。俺すっげー気に入っちゃった。どう? カナデなんかやめて俺にしない?」
「はああああああ⁉︎」
そんな親父の言葉に、その場の全員が叫び出す。
葵と親父は頑張って耳を塞いだけれど、あまりにも大きかったので隙間から結構な音量で入ってきた。
「おい親父! 俺のアオイちゃんに何手出そうとてんの?!」
「まだお前のじゃない圭撫。今は俺のだ」
「それも違うから! 何ややこしくしてんのよ!」
「それなら俺も混ざろかなー」
「へ? マサキ?」
「カナ、裏切るわ。先に言うとこ」
「おいー!」
そんな様子を見ていた葵とキサは、二人目を合わせて笑っていた。
「(ああ。本当によかった。これでみんな前に進めた)」
葵がそう思っていると、そういえば彼の方はどうなったんだろうとふいに思う。
「(……あとでちょっと聞いてみるか)」
そうして今日は葵の宣言通り、文化祭の打ち上げを五十嵐家ですることになった。友達の家にお泊まりするのが初めてな葵は、嬉しすぎてはしゃいでしまった。



