「……アオイちゃん」
「ん?」
「俺、やっぱりアオイちゃんにはずっと傍にいて欲しいんですけど」
「一緒にいてあげるよ? 友達じゃないか」
彼は首を振る。二人の様子に、生徒会のメンバーが飛びかかりそうになっているが、組の人たちに押さえつけられている。その様子をキサは、あらまー! と楽しそうに見ている。
「アオイちゃん。これからずっと、俺の傍にいて欲しい。これからは俺が、君を傍で守ってあげたい」
「……え。それって……」
「うん。……アオイちゃん。俺の彼女に、なってくれませんか?」
「――!」
少し照れながら、カナデが葵にそう伝える。
葵はカナデにそんなことを言われるとは思わなかったので、驚いて一瞬固まってしまった。
みんなも、固唾を呑んで見守っている。
葵はゆっくり目を閉じて、しっかり考える。
「……カナデ、くん……」
「うん。なに? アオイちゃん」
カナデは葵を焦らせないように、それ以外は何も言わず、葵の言葉を待つ。
「そう言ってくれて、すごい嬉しい」
「……そっか。それはよかった」
彼女から出てきたのは、よくある振られる前の言葉。カナデは苦笑いしながらそう答えた。……でも。
「……きちんと、考えたい。カナデくんの思いを無下にはできない。したくない。だから少しだけ、時間をもらってもいいですか? わたしもまだ、整理ができてない、ので……」
葵が俯きながら、照れながら、尻すぼみになりながら、なんとかそう言う。
完全に振られると思っていたので、今度はカナデの方が驚いたまま動かなくなった。
「……あ、れ? だ、だめですか? 今じゃないと」
「へえ?! か、考えてくれるの?」
「え? うん。嬉しかったから、しっかり考えたい。……わたしも、変われたから」
みんながその言葉に動きを止める。
「……そっか。ありがとう。でも俺、せっかちさんだから……明日。一緒に彼女たちのとこ、行った後に返事、もらえる?」
「う、うん。そんなに待たせるつもりは……ない、です」
照れた葵のかわいさに、カナデの我慢が限界に達する。



