「わかった。ありがとうツバサくん。……それじゃあ最後。ヒナタくんお願い」
そう言うと、ヒナタはちらりと葵を見て立ち上がる。
“あんたは全部知ってるんだな”
そんな感情が、その一瞬だけで伝わってくる。
「そのあと残念ながら先生は襲われてしまった。先生を今も眠らせているのは、ここの組の奴ら」
ヒナタがそう言うと、カナデを始めみんなが萎縮する。
「でも、そいつは本当の五十嵐組じゃない」
ヒナタがそう言うと、みんなして「え?」という顔になる。
「そいつは言うなればスパイ? みたいな感じの奴。ちなみにそいつも先生と寝てた」
「――ッ!」
カナデは驚きを隠せない。
その後、だんだん怒りが表情に込み上げてきている。
「カナ。最後まで聞いて。……先生は、襲われたにも関わらずカナに会いにここまで来てた。何回も何回も諦めず。その時、ここのスパイと会った。先生も気づいたんだろうね。それが組の奴らにバレたら不味いと思ったスパイは、先生を襲った。……殺す、つもりだったと思う」
資料を握り締めるヒナタの手にも、力が入っている。資料が皺だらけだ。
「チカがボコった奴らも、先生を殺しにかかってた。そいつらとここのスパイの奴らは繋がってたんだ。先生に頼んだけど、オレらも心配だったから様子を見に後はつけてた。そこで先生が襲われてたからオレらが助けた。助けた、とは言えないかもしれないけど。でも流石のオレらもマジギレしたから、この件と前の彼女の件に関わった奴らは全員警察に突きつけてやった」
ヒナタが語る真実に、もう誰も、何も言えなかった。
「……あんたらさ、どうして未だにここの組の奴らが出てこないとか思わなかったわけ? 先生を襲ったけど、他にもいろんなことしてたから未だに入ってるに決まってるでしょ。あーダメ。腹立ってきたから、締めはあんたが話してね」
そう言ってヒナタは何故か葵にバトンタッチしてくる。
……締めってなんだよ。まあいいけどさ。



