「ありがとうチカくん。それじゃあツバサくん、続きをお願い」
チカゼは悔しそうに項垂れていたが、その頭をぽんと叩いてツバサが立ち上がる。
「はーい。それから、今度はアタシたち……主にチカに恨みを持った奴らが先生を襲ってしまいました。奴らはチカにボコられたのが気にくわなかったらしいの。まだ小学生だったからね」
「(……もしかしたら……)」
葵はちらりと違うことを考えてしまったが、今はこちらに集中しよう。
「残念ながら、先生も彼女と同じようにアタシたちにそのことは言わなかったの。取っ替え引っ替え、男を相手にする代わりに先生はカナデのことを、そしてチカのことも守っていたの」
「え。チカちゃんも……?」
カナデはチカゼに目線を送るが、彼は俯いたまま、悔しそうに拳に力を入れていただけだった。
「でもこの時は、アタシたちよりも先にカナがこのことを知ったようだった。だからアタシたちは、部屋から出てこなくなってしまったカナを説得するよう、先生に頑張ってもらった。……頑張って、もらいすぎたのよね」
ツバサも、あのことを悔いている。
このことは、彼だけの問題じゃないんだ。
みんなつらかったんだ。みんな悔いているんだよ。
だから、みんなが進まなきゃいけないんだ。



