すべてはあの花のために③


「ありがとうチカくん。それじゃあツバサくん、続きをお願い」


 チカゼは悔しそうに項垂れていたが、その頭をぽんと叩いてツバサが立ち上がる。


「はーい。それから、今度はアタシたち……主にチカに恨みを持った奴らが先生を襲ってしまいました。奴らはチカにボコられたのが気にくわなかったらしいの。まだ小学生だったからね」

「(……もしかしたら……)」


 葵はちらりと違うことを考えてしまったが、今はこちらに集中しよう。


「残念ながら、先生も彼女と同じようにアタシたちにそのことは言わなかったの。取っ替え引っ替え、男を相手にする代わりに先生はカナデのことを、そしてチカのことも守っていたの」

「え。チカちゃんも……?」


 カナデはチカゼに目線を送るが、彼は俯いたまま、悔しそうに拳に力を入れていただけだった。


「でもこの時は、アタシたちよりも先にカナがこのことを知ったようだった。だからアタシたちは、部屋から出てこなくなってしまったカナを説得するよう、先生に頑張ってもらった。……頑張って、もらいすぎたのよね」


 ツバサも、あのことを悔いている。

 このことは、彼だけの問題じゃないんだ。
 みんなつらかったんだ。みんな悔いているんだよ。

 だから、みんなが進まなきゃいけないんだ。