葵が立ち上がって、何故か自分も眼鏡を掛けながらそう言うと、みんな“どんとこいっ!”って顔つきになる。
「はいッ。それじゃあ本当の裏側の話をしてもらいましょう! まずキサさん? こんなことをし始めたきっかけを教えてください!」
キサは、すっと立ち上がり資料を読み上げる。
「ハイッあっちゃん部長! あたしたちがこんなことをし始めたきっかけは、彼の彼女に相談されたからです!」
キサの答えに、カナデが「えっ」と驚く。
「でもそれは、彼女が別れてから圭撫の前を去る時にです。これからの圭撫のことを心配して、勇気を出して相談してくれました。だからあたしたちはそれまでそんなことがあったなんて知らなかったし、幸せそうだったこいつらをぶち壊した奴らが許せませんでした!」
「はい。キサさんありがとう。それでは続いてアカネくん。行ってみよう!」
そう言ってアカネと、ついでにオウリも立ち上がる。
「はあいあおいブチョウ! だから、真実を知ったおれらは、それならかなチャンの家の人なら知ってるだろうし、彼の力になってくれると思ったんです!」
「(こくこく!)」
「しかーしなんと! どうやら彼らは、去ってしまった彼女が最低女としか思っておらず、話を聞いてくれるような状況じゃありませんでした! 話そうとしても、昔からの友達のおれらも、どうせ最低女の回し者だと思われると思ったんです! それぐらい、かなチャンもですが彼らも、その事件に関して触れて欲しくなさそうだったんです!」
「(うむうむ)」
「ふむふむなるほど。それで? 次の君たちの行動はどうだったのかな? それではアキラくん。行ってみよう!」



