すべてはあの花のために③


「お任せあれっ!」
「(こくこく!)」


 そこにいたのは、何故かまた細めのフレームを掛け、みんなで一斉にクイッと眼鏡を上げた生徒会メンバー。


「え。……え?」


 そんな様子にあたふたしているのは、葵と生徒会メンバー以外の、カナデとお馬鹿な奴ら。


「いやーあっちゃん、どうしてわかったかなー」


 すごい楽しそうにそう言いながら、手元の資料を整理しているキサ。
 ……え? そもそもそれ、どこから持ってきたんですか? それとも常に携帯してるの??


「流石俺の葵だ」

「何言ってんのよアキ」


 そう言ってツバサは分厚い資料でアキラの頭をドスッと叩く。
 あ、あれ? 彼、倒れて起きませんよ? もしかして角で叩いたの?!


「あおいチャンは何でもお見通しなんだよねえ」
「(こっくり)♪」


 そう言って倒れたアキラを指示棒でツンツンするアカネとオウリ。
 生きてる? 息してるかな……?


「ほんと、お前に隠し事はしても無駄だよなー」

「まあオレに勝とうとは思わないことだけどね」


 そう言って、大分前から恐らくムカついていたのだろう。葵とカナデを引き剥がしにかかるチカゼとヒナタ。
「アオイちゃーん……」って手を伸ばして助けを求めているカナデ。片や葵は「しっし!」と手を払うように振っていた。

 それを見て落ち込んでいたカナデを、「お、お前! こんな大勢の前で引っ付くとかっ……!」的なことをチカゼは言っていたが、やっぱり最後まで聞かなかった。