そんなことを話している時に、みんなはマサキから賭のことを聞いていた。
「そんなことがあったのか」
「いやいや、そんなの命かけてやることじゃねーし!」
「まあそうやな。結局この用件を聞いても、親父は日付が変わったと同時にお嬢ちゃん殺すからな」
「な、なんでえ?!」
「それは恐らく、あの子が自分を殺すなという条件を言わなかったからね」
「そ。だから結局のところ、時間が来たら殺される」
「そんなのダメじゃん! あっちゃんを守らないと!」
「(こくこく!)」
そんな話をしている中、カナデは二人の様子を心配そうに見ていた。
「カナ、もしかしてあいつが負けると思ってんの」
「え? ……ヒナくん。寧ろなんでそんなに冷静に見ていられるの」
どうやら案の定、葵からスタートするようだ。
紫苑は、それを馬鹿にしたように見ている。
そして葵が、最初のカードに手を伸ばす。
「え。だってこの勝負、最初っから決まったようなものじゃん」
そう言いながら、ヒナタは大好きなスマホを触り出す。
ヒナタにカナデ以外のみんなも「確かにー」と足を伸ばしたりして寛いでいる。
「ま、それもそうかもな」
「ええ?! マサキまで!?」
カナデが一人、慌てている。
そんな様子の彼に、ヒナタはスマホ画面を見ながら。
「だってあいつ負けないし。先攻を譲った時点でおじさんの負け。最初の一回で全部ペア作るよ、絶対」
自信たっぷりに、にやりと笑った。



