すべてはあの花のために③


 そんな葵とマサキは目を合わせてにやりと笑う。


「紫苑さん。先に言っときますけど、ちょっとやそっとじゃそこのお嬢さんはやっつけられませんよー」

「はっ。何言ってんのマサキ。これだけ大人数いて生きて帰られるわけないじゃん」


 彼がそう言い切るや否や、葵は着ていたブレザーを投げ捨てた。
 そしたら隣から「ブッ」っと言う声が聞こえた。どうやらマサキにぶつけてしまったらしい。ごめんなさーい。


「親父さん? わたしと賭をしませんか?」


 葵の顔には、微笑みの仮面。
 さぞ、彼は殺したくなったに違いない。


「何言うとるんや!」
「いい加減にせえよ!」
「こんのクソ尼!」
「お前なんかサツ行きじゃ! ぼけ!」


 うん。まあそうかもしれないけどね?
 ちょっと外野は黙っててね?


「あなたが絶対にないと思うことをして見せましょう。……そうですね。一つはわたしがここにいる全員。まああなたはよしとしますか。そんなバカでも、彼の父親ですから?」


 そう言うと、マサキ以外の男共から射殺すような視線を向けられる。それはもちろん。


「……バカ、だって?」


 目の前にいる彼もその一人。