「それでなー? 一人になったら、事情を話して穏便に連れて行こうって思うとったのになー? 一向に一人にならんやん? そんなんあいつらに便乗するしかないやろー? 別に俺らから足を洗ったことに関しては気にせーへんで? あいつらもちゃんと腹決めてから出て行ったんやし。ほんま、俺側全員連れてきてよかったわ……」
「そ、それは大変申し訳ないことを……」
葵がそう言うと、彼はハンドル片手に葵の頭を撫でてくる。
「ま、一人にならんようにみんなでしとったって聞いたからな。ええことや。そうさせたんは俺らなんやし。みんなに愛されとってよかったな。友達、なんやろ?」
そう言う彼に、葵は顔を上げて笑顔で「はいっ!」って言った。
そうしたら何故か彼は、撫でていた手を止めて、自分の口を塞ぎにかかる。
「え? ど、どうしたんですか? 気持ち悪いですか?」
「いや。なんでもあらへんで(……危うく俺が裏切りそうになっただけや)」
「??」
葵は首を傾げて彼を見るが、彼は何も言わなかった。
ただ、「これかあ」とか「これはあかんなあ」とか言っていたけど。葵にはさっぱり。意味不明だった。



