車がいなくなって、少しして――――。
「はあっ、はあっ。……ッ、カナ! あいつはっ!?」
男たちを倒してきたのか、カナデのところにみんなが集まってくる。
「お、おいカナ。どうしたんだよ!」
チカゼがいくら呼んでも、カナデは全くそこから動かない。
焦点が合ってない。瞳が、ちゃんとみんなを見られていない。
「圭撫。葵に何があったんだ」
「ちょっとカナ! いい加減何か言いなさい!」
アキラとツバサが体を揺すって声を掛けても、まるで抜け殻のように、魂をどこかに置き忘れてしまったかのようにカナデは立ち尽くしているだけ。
そんなカナデの様子に痺れを切らしたキサが、思いっきりカナデの頬めがけてビンタを食らわした。吹っ飛ばされたカナデはクルクルと宙を舞い、パタリと地面に倒れて動かなくなる。六人は、何も言わず倒れたカナデに両手を合わせておいた。
「……いっ、て……」
「おい弱虫。あんた、どうしてそんなところでボーッと突っ立ってんだ」
カナデは頬を摩りながらゆっくりと立ち上がる。ふらふらと、足下が覚束ない。
「おい。あたしの質問に答えろ」
「キサちゃんはー、この巻暴走してるんだねー」
「もう一発殴られたいか」
「もうそうなる前に止められるから」



