すべてはあの花のために③


「(……前回よりも、強い奴ら連れてきてる)」


 一人二人を相手をするので精一杯のようだ。


「(アカネくんめ。わざとあいつらのとこ行きやがって)」


 アカネが迷わず攻撃しに行ったのは、柔道と空手を駆使した奴らのところ。それに気づいたオウリもアカネに加勢する。


「(ダメだよ。憎しみでは、何も解決しないんだから)」


 彼らの様子を伺っていると、関西弁の男がすっと葵に近づいてくる。


「(……あれ。気のせいかな。この人……)」

((――――――))


 急に胸の奥が、切なく熱くなる。


「俺らはな、依頼主には絶対服従やねん。逆ろうたらいけんのや」

「ええ。そうだと思います」

「もう一遍聞かせてくれ。……お嬢ちゃん。あんたは一体何者なんや。いっくら調べても何も出てけえへん。それにも大層依頼主はお怒りや。そんな得体の知らん奴の、何がええんやってな」

「……わたしは、『わたし』です。それ以上でもそれ以下でもなく」


 彼の瞳を真っ直ぐ見つめ返す。
 するとつんと鼻の奥が痛くなって、何故か無性に泣きたくなった。


「……なあ、お嬢ちゃん。あんた――――……」