「(……前回よりも、強い奴ら連れてきてる)」
一人二人を相手をするので精一杯のようだ。
「(アカネくんめ。わざとあいつらのとこ行きやがって)」
アカネが迷わず攻撃しに行ったのは、柔道と空手を駆使した奴らのところ。それに気づいたオウリもアカネに加勢する。
「(ダメだよ。憎しみでは、何も解決しないんだから)」
彼らの様子を伺っていると、関西弁の男がすっと葵に近づいてくる。
「(……あれ。気のせいかな。この人……)」
((――――――))
急に胸の奥が、切なく熱くなる。
「俺らはな、依頼主には絶対服従やねん。逆ろうたらいけんのや」
「ええ。そうだと思います」
「もう一遍聞かせてくれ。……お嬢ちゃん。あんたは一体何者なんや。いっくら調べても何も出てけえへん。それにも大層依頼主はお怒りや。そんな得体の知らん奴の、何がええんやってな」
「……わたしは、『わたし』です。それ以上でもそれ以下でもなく」
彼の瞳を真っ直ぐ見つめ返す。
するとつんと鼻の奥が痛くなって、何故か無性に泣きたくなった。
「……なあ、お嬢ちゃん。あんた――――……」



