すべてはあの花のために③


 急ピッチでストレッチをしようとした葵を、陰から飛び出してきた人影が庇うように前に出る。心強い助っ人たちだ。


「加勢するよお!」
「(こくり)‼︎」


 アカネとオウリが、お互い背を預け、柔道と空手を駆使しながら男たちと向き合う。


「手出すぞ」
「お前ら! オレはぜってえ許さねー!」


 アキラとチカゼもお互いを信頼しきってるのか、お互いが補い合いながら拳と蹴りで男たちと戦う。


「アンタ腕鈍ってないでしょうね」
「そっちこそ、文句言う暇あったら早くやっつけてよ」


 ツバサとヒナタはどこから持ってきたのか、木刀を持っていて、彼らも背を合わせて相手に容赦なく斬りかかっていく。


「み、みんな……!」


 どうやらキサは、彼についていてくれているようだ。彼に手を出すことはまずないだろう。……でも、彼を女性(、、)と一緒にしておくのはきっと不味い。


「ヒエンさん。それからそこのビビりんちょ三人」


 いきなりみんなが出てきて驚いている四人に、急いで声をかける。


「そこの体育館の壁を曲がったところに、男の子と女の子が一人ずついるはずです。女の子は必ず守ってあげてください」


 葵の言葉に、一番近くにいたツバサとヒナタが驚いていた。


「(きっと彼らも、戦えはしなくともそこまで来てるはず)」


「ごめんなさい。大急ぎで行ってやってください」と言うと、大きく頷いた彼らは、ダッシュで葵が言う方へと走って行ってくれた。