すべてはあの花のために③


「わたしはもう、あのことに関してはあなたたちのことを怒ってはいませんし、警察につき出そうなんてことはしません。わたしが聞きたいのは一つだけ」


 ――あなた方はまだ、依頼主と繋がっていますか。


「お、俺らはあいつらと縁は切った!」

「だからもうあんたのことは襲わねえ!」

「あんな目には遭いたくないからなッ!!」


「お嬢ちゃん、どんだけやべえことしたんだよ……」と、ヒエンがぼやいているが、今は放っておこう。


「そうですか。それは、本当によかったですっ」


 笑顔で伝えると、彼らは心底驚いて固まった。


「し、失礼な。わたしだってちゃんと笑えますよ」


「どんな笑い方したんだよ」と突っ込まれたが、もう気にしない。


「では、その依頼主が誰かを教えてください」


 一気に空気が冷えきる。
 ヒエンも目を細めているが、彼らは口を割ろうとはしなかった。


「わかりました。このことは聞かなかったことにしてください」

「いいのか、お嬢ちゃん」


 ヒエンの声を聞きながら、葵はあさっての方を向きながらゆっくりと立ち上がる。


「恐らくそれを言えば、あなた方は殺されるのでしょう」


 四人はびくりと体を震わせた。


「きっと依頼主は、あなた方がここへ来ることを知っているか、或いは何かするんじゃないかと疑っている。だから、何か言ったか、言う前にあなた方を殺して口を割らないようとしている」


 ――――だからこちらまでいらっしゃったんでしょう?