「わたしはもう、あのことに関してはあなたたちのことを怒ってはいませんし、警察につき出そうなんてことはしません。わたしが聞きたいのは一つだけ」
――あなた方はまだ、依頼主と繋がっていますか。
「お、俺らはあいつらと縁は切った!」
「だからもうあんたのことは襲わねえ!」
「あんな目には遭いたくないからなッ!!」
「お嬢ちゃん、どんだけやべえことしたんだよ……」と、ヒエンがぼやいているが、今は放っておこう。
「そうですか。それは、本当によかったですっ」
笑顔で伝えると、彼らは心底驚いて固まった。
「し、失礼な。わたしだってちゃんと笑えますよ」
「どんな笑い方したんだよ」と突っ込まれたが、もう気にしない。
「では、その依頼主が誰かを教えてください」
一気に空気が冷えきる。
ヒエンも目を細めているが、彼らは口を割ろうとはしなかった。
「わかりました。このことは聞かなかったことにしてください」
「いいのか、お嬢ちゃん」
ヒエンの声を聞きながら、葵はあさっての方を向きながらゆっくりと立ち上がる。
「恐らくそれを言えば、あなた方は殺されるのでしょう」
四人はびくりと体を震わせた。
「きっと依頼主は、あなた方がここへ来ることを知っているか、或いは何かするんじゃないかと疑っている。だから、何か言ったか、言う前にあなた方を殺して口を割らないようとしている」
――――だからこちらまでいらっしゃったんでしょう?



