「茜と桜李は何してるんだ」
「勢いがすごすぎて怖いんだけど」
その5分後。カウントを終えたアキラとヒナタが、アカネとオウリのところへ。先程から空気を切るような音がするなと思ったら、二人は空手の型を披露して体を動かしていた。
「ちょっと頭、リフレッシュしようと思って!」
「(こくり!)」
アキラとヒナタは顔を見合わせて、お互い首を傾げる。
「そういえば葵はどうしたんだ」
「あおいチャンなら、ちょっと前におれらがどうしても合わなかった集計の確認をしてくれてる!」
〈隣の部屋で5分頑張ってみるって!〉
「なんでわざわざ隣の部屋行ったの?」
「雰囲気変えたら、間違ってるとこわかるかもしれないっていってた。5分頑張って無理だったら帰ってくるってー」
〈それまでおれらは
スッキリさせといってって♪〉
「(いや、葵は所見だろうに)」
「(別に雰囲気変えなくてもいいんじゃ……)」
葵が取るべき行動は、言うなればアカネとオウリがするべき行動だ。
改めて二人が葵に変人のレッテルを貼っていると、タイミングよく控え室の扉が開く。
「あれ? 二人とも、集計終わったの~?」
妙にテンションの高い葵が帰ってきた。
「そう言う葵は、一人で行動するなってあれほど言ったのに」
「あ! 忘れてた! ごめんようアキラくん」
両手を合わせて謝る葵。その手には先程預かったプリントが。
「あおいチャンどうだった? わかった?」
「うん! 一つかぶって計算してたみたいだったから、合計と合わなかったんだと思うよ。取り敢えず何回も確認したから合ってると思う。ついでにもう各クラスにも得点を割り振っておいたから、四人で確認してみて?」
そう言ってみんなの前にプリントを出す葵。彼らが確認すると、一寸の狂いもなく、きちんと整理された紙が一枚加わっていた。
「集計できたか?」
その時、もう一度控え室の扉が開いた。ビンゴ組のチカゼが集計組を呼びに来たのだ。
五人は目を合わせてグッドサイン。五人揃って、ステージへと戻っていった。
……葵の体がまた、冷たくなっていたとも知らずに。



