「(ふう。だいぶ、準備できたかな?)」
体育館には一面に絨毯が敷かれ、あっという間にダンス会場に早変わり。壁際の机には、もう料理などが運び込まれてきている。
今からここで行われるのは、ビンゴ大会と仮面舞踏会。一人一人が仮面を着け、パーティー用の衣装に着替えたところで、後夜祭が始まる。
「(ビンゴ大会をしている間に、文化祭の投票結果を集計。優勝クラスを発表して、仮面舞踏会が始まると)」
もうすぐ18時。ぞろぞろと、衣装に着替え仮面をつけた生徒たちが体育館に集合してくる。葵たちは、ステージの裏で最後の打ち合わせ中だ。
「いいか。最後まで気を抜くなよ」
「アキ打ち合わせの時いっつもそれしか言ってないー」
カナデに図星を突かれたアキラはむうっとなった後、「大事なことだからいいんだ」ときっぱり言い切って続けた。
「文化祭の閉祭式が終わって、後夜祭の開祭式が始まったあと、それぞれビンゴ組と集計組に分かれるからな」
ビンゴ組は、キサ、カナデ、ツバサ、チカゼの四人。
集計組は、葵、アキラ、アカネ、オウリ、ヒナタの五人。
ちなみに、生徒会の出し物は投票不可。ただでさえ人気投票で集まった人たちには、何もしていなくても勝手に票が集まってしまうからだ。
表彰式が終わり次第ステージの片付け。後は楽団の人に任せておけばダンスパーティーが勝手に始まる算段となっている。そこまでいってようやく葵たちもパーティー衣装に着替え、時間いっぱい楽しむことができるのだ。
そして22時を目安に、体育館だけでなく、校内全部の片付けが終わっているかを確認してすべてが終了。
「片付けは一人で行動するのは禁止。油断は禁物だからな。特に葵、お前は俺と最後は回れ」
「うん。わかったアキラくん」
「え? ちょっとアキ? 何気にお誘いかけたんじゃないよね今!」
「ん~んーん~」
(※秘技:アメを舐めて逃げる)
みんなは、そんなアキラを見て大きくため息をついた。一人だけ状況がわかってなかった葵は「え?」とみんなの顔を見回していたけれど。
「じゃあ今年の文化祭。後夜祭のいい思い出作りにでも行きましょうか!」
キサがそう言ってみんなが笑顔で頷いた。
そして始まるのは、すべての人々が仮面を着けている、誰が誰なのかわからない、少し不気味なダンスパーティー。
『仮面舞踏会』が今、始まる――――……。



