すべてはあの花のために③


『それでは皆様、大変お待たせしました! この方の登場です!』


 キサはだんだん葵の方に近づいてくる。


『あたしと同じ、ギター&ボーカル担当。生徒会庶務、どうみょうじ あおい~!』


 キサがそう葵の自己紹介をする。すると会場からは、「ミス桜ー!」という声がやはり上がった。


『そうだ! ここでインタビューでもしておこう! どうですか? ミス桜に選ばれた感想をお願いします!』

『わたしもキサちゃんも、ツバサくんに負けた可哀想な女の子ですけどねー』

『ほんとほんと! お客さんたちしっかり見なきゃ! あいつにはちゃんと立派なものが付いてるんだぞ?!』


 キサがそんなことを言うと『いやーん』ってツバサが言い出す。


『まあそれは置いておいて。どうですか? それを無しにして今の気持ちは』


 キサがしつこく聞いてくるので、『それじゃあこの場をお借りして』と葵は話し出す。


『このミスコンに出るからには、優勝したいなと思ってたんですけど……ペアの方にも救われたかなって。そう思ってます』


 葵がそう言うと、彼が目を見開いたのが視界に映り込んだ。


『最後にウエディングドレスを着させてもらったのは、わたしが今この時幸せだって気持ちを、誰でもいい。たった一人でもいいから、分けてあげたいなと思ったんです』


 葵は目をつむって話す。


『ブーケトスをした時も、幸せな気持ちがきちんと心に届くようにと願いました』


 そうして葵は目を開いて、ちょっと照れて頬を掻きながら。


『まあ最後はジンクスで、みんなに分けてあげられたかなって、そう思ってるんですけど……みなさんにも届きましたか?』


 葵がそう言うと、「届いたよー!」って声がたくさん聞こえた。


『わたしにとって、今その言葉を聞けることが一番の幸せです! みなさん本当にありがとう!』


 そう言うと、彼も微笑んでいるように見えた。


『そして! 最後はやっぱりこの方もちゃんと紹介しないといけないですよね!』


 そう言って葵はキサの近くへ。


『ここまでヘタレな生徒会男子メンバーを引っ張ってくれた! ギター&ボーカル担当。MCも軽ーくこなしてくれちゃいました! 生徒会書記、さくらば きさ~!』


 そう言うと「本当のリーダー!」と声が上がって、アキラは少しションボリしていたけれど。


『ちょっと~? ヘタレってどういうこと~?』


 カナデがぬた~っと話すが、キサが『そのまんまの意味じゃー!』って怒ってた。