すべてはあの花のために③


 伴奏なしに歌とメロディーが同時に始まる曲で、一気に会場を沸かす。

 ギター&ボーカル――キサと葵。

 一定のリズム。冷静な彼にうってつけなドラム担当――ヒナタ。

 なんでもそつなくこなすリーダー。ベース――アキラ。

 大きく息を吸って音を奏でる、サックス――ツバサ。

 長い指で正確に音を弾く、キーボード――カナデ。


 そして――――……。


「っ、よっと!」
「っは、っと!」
「――!」


 みんなの音に合わせてダンスを披露する、チカゼ、アカネ、オウリ。生徒会が一体となった、バンド&バックダンス。


 最初の三曲はぶっ続けで盛り上げて、会場全体を温める。激しい曲ばかりで、息を吐き続けるツバサは苦しそうだが、目が合うとウインクされた。速い曲もあったりして、指が追いつかなくなりそうになる。
 それでも目が合った時、みんなが笑顔を見せてくれるから、会場を温める前に自分の方が温まりそうだ。

 ダンスの三人も、初めはキツそうなダンスばかり。それでもみんな笑顔でやってる。


「(あ。オウリくん笑顔出せてる!)」


 たったそれだけのことが、すごく嬉しかった。これも彼が一歩前進した証拠。そんなオウリを見て泣き叫んでいる人たちもいるようだが、彼は表情を崩さず勢いあるキレのあるダンスを披露する。みんな本気で格好よかった。