すべてはあの花のために③


「……よし。みんな、準備はいいか」

「どうやら講堂内は満員のようです。どうぞ」

「どうやら席が足りないようです。どうぞ」

「どうやら立ち見の人もいるみたいです。どうぞ」

「その人数も途轍もないそうです、どうぞ」

「みんなビビってるんですか。どうぞ」


 葵の言葉に、円陣を組んだみんなはピシリと固まった。


「やっぱり生徒会はヘタレの塊……」

「よ、よし! 絶対成功させるぞ!」

「お、おう!」
「(ごくり)」

「やれやれ……」


 時間になり、ビーッと言う機械音とともに、壇上の幕がゆっくりと上がっていく。徐々に見えてくる絶景。綺麗な色取り取りのサイリューム。どこかから出てきた、メンバーの顔写真が貼られたうちわ。誰かが作った横断幕。それらが一気に、視界に入ってくる。
 幕が上がりきる前に、ヒナタのバチの音が聞こえた。始まりの合図だ。いち……にの……、さんっ!


「(……――いくぞっ!)」


 ――最初はやっぱり、盛り上がる曲で!