選ばれた二人は参加者たちよりも前に出て、表彰される。
ステージ裏から運ばれた表彰台に登り、まずは彼へ。優勝者の証として、ペンダントが葵の手から彼に送られる。そのペンダントには、我が校の象徴である桜をモチーフにしたオリジナルデザインで、桜色のダイヤモンドがその中心に輝いていた。
『それではミスターからミスへ。ティアラを贈呈してください』
彼はスタッフからティアラを受け取り、葵の前へ。
「ねえ。このあとよかったら、一緒に文化祭回ったりしませんか?」
「ごめんなさい。この後は出し物があって、大急ぎで講堂の方に行かないと」
「そっか。……よかったらそれ、見に行ってもいいかな?」
「はい。もちろん」
そうして葵の頭の上にも、桜色のダイヤモンドが輝くティアラが飾られた。
会場はオールスタンディング。拍手と歓声が鳴り止まなかった。
葵と名も知らない彼は、二人で見つめ合った後、静かに笑い合う。
「あ。そういえばさっき、ジンクスって言ってたよね?」
彼は葵に視線を合わせる。
「……もっと踏み込みたい」
「え?」
「あっ。……えっと」
ぼそっと口に出したことが恥ずかしかったのか、腕で口元を隠しながら。
「い、いや。もっとって、どこまで踏み込むのかなって。……思って」
「え? ……え。まさか」
彼は、照れながらも頑張って真剣な表情になる。
「嫌じゃなかったらでいいんですけど。最後まで幸せに。……一瞬でも、なってもらえませんか?」



