すべてはあの花のために③


 ――――観客席。


「は? なんで、あいつ。あんなの着て……」


 今までずっと見回りをしていたチカゼが、ここで初めてステージを見た。


「……言葉になんて、できるわけねえよ」


 ただ呆然と、見ることしかできなかった。



 ――――反対側のステージ裏。
 葵が向こうから上がってきたのが見える。


「……葵。すごく、綺麗だ」

「うん。それぐらいしか、言えないね」

「…………」


 彼らも、ただただ彼女の姿を見つめることしかできなかった。



 ――――講堂。


「ちょ、今コンテストが大変なことになってるんだって!」

「え? どういうこと?」

「一番最後の人たちが本当にヤバいの!」

「だから、どういうことよ!」


 その頃、講堂の裏側では――……。


「おうり! 準備できた?」


 アカネのその声にオウリがグーサインを出す。


「じゃあ…………繋げるよ!」


 フィーリングカップへと移る前に一度、講堂のスクリーンを下ろし体育館を映し出す。


「え? なにこれ……」

「生中継……って、ことよね?」


 講堂でも、体育館の様子が映るようにアカネとオウリの計らいでLIVE中継している。


「成功、したけどさあ」

「……」


 二人もただただスクリーンに釘付けになる。


「……あおいチャン。綺麗だね」

「……(こくり)」