すべてはあの花のために②


 それから昨年を参考に、プログラムを固めていった。各学年のフリープログラムは、各クラスの委員長を集めて一度会議を行うことに。


「当日の生徒会の主な仕事は、体育祭をスムーズ且つ円滑に進めること。つまりは“進行係”だ」

「競技とかの準備は業者を雇って頼むから、その人たちへの的確な指示と、順位をきちんと把握しておくこと。じゃないと不公平になっちゃうでしょ?」

「た、体育祭に業者を雇うとか……」


 ここでまさかのお金持ち発揮。
 業者への指示は無線を主に使用。事前に打ち合わせもするため、実質生徒会役員が率先して動くことはないそう。


「オレたちは生徒会の席が用意してあるから、そこに座っとけばいいんだよ」

「チカくん、それってちゃんと仕事してることになる?」

「オレらがしようと思っても、しなくていいって言われんだよ……」


 チカゼは大きなため息を吐いた。


「(そ、そういえば生徒会って、生徒の人気投票で決まったようなものだったね……)」


 それから当日の係をある程度分担し、人数不足のところがあれば、各々臨機応変に対応することに。


「明日の放課後に委員会があるから、そこで各学年フリープログラムを決めてもらおう」


 アキラがそう締めて、本日の会議は終了。取り敢えず当日の流れもある程度把握はしたが。


「(……なーんか、嫌な予感がするんだけどなあ)」


 はてさて、葵の勘は当たるのか――。