すべてはあの花のために②




 残された理事長は。


「彼をこんなに早くこちら側につけるとは。……はは。君は、一体どこまで見えているのか」


 そう言いながら彼はまた前のように金庫を開けて、大小の木箱を取り出す。

 小さい箱から取り出されたのは――蘭の花。
 それを大きめな木箱の小部屋に入れてやる。


 ――――そして。



「これも、……だったな」


 どこからか持ってきたそれも小部屋へ入れる。
 それは――……百合の花。





 取り出された蘭とともに、【あの花】を囲む、薔薇、菊、ツツジ、百合そして牡丹。

 甘党と執事の次は、一体誰か――――……。