残された理事長は。
「彼をこんなに早くこちら側につけるとは。……はは。君は、一体どこまで見えているのか」
そう言いながら彼はまた前のように金庫を開けて、大小の木箱を取り出す。
小さい箱から取り出されたのは――蘭の花。
それを大きめな木箱の小部屋に入れてやる。
――――そして。
「これも、……だったな」
どこからか持ってきたそれも小部屋へ入れる。
それは――……百合の花。
取り出された蘭とともに、【あの花】を囲む、薔薇、菊、ツツジ、百合そして牡丹。
甘党と執事の次は、一体誰か――――……。
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