すべてはあの花のために②




 まるで極寒の地に来たような寒さ。
 噎せ返るような強い芳香。

 けれど、常に昂っている人たちにとっては、これくらいがちょうどいいのだろう。
 いや、これぐらいでないと、寧ろダメなのか。



「(それにももう慣れてしまったとあれば、自分ももう、あちら側に堕ちてしまうのも時間の問題か……)」



 誰にも気付かれぬところで、ぐっと拳を握り込む。



「(……でも、まだです。まだ――……)」



 役目を忘れるな。
 やるべきことは何だ。

 折れるな。負けるな。
 何のために、ここにいるのか思い出せ。



「報告を」

「……はあ~い」



 思い出せ――――。