まるで極寒の地に来たような寒さ。
噎せ返るような強い芳香。
けれど、常に昂っている人たちにとっては、これくらいがちょうどいいのだろう。
いや、これぐらいでないと、寧ろダメなのか。
「(それにももう慣れてしまったとあれば、自分ももう、あちら側に堕ちてしまうのも時間の問題か……)」
誰にも気付かれぬところで、ぐっと拳を握り込む。
「(……でも、まだです。まだ――……)」
役目を忘れるな。
やるべきことは何だ。
折れるな。負けるな。
何のために、ここにいるのか思い出せ。
「報告を」
「……はあ~い」
思い出せ――――。



