「アキにだけは、俺の連絡先を教えておくよ。アキはその中継をよろしく」
「俺には教えて、みんなにはダメなのか」
「結局は最後に『ここから自分一人で』と言うし、わざわざ教えることもない。そうなるともう俺には連絡してこないだろうからね。お前だけに教えるのは……『お前』だからだ」
「? 意味がわからない」
苦しげに首を傾げるアキラに、シントはただ頭を撫でた。
「大丈夫だ。これは、『お前』じゃないとできないことだから。……そうならないのが一番だけど」
「? シン兄?」
「……理事長もきっと、このことは知ってる。多分、俺がお前だけに連絡先を教えることも彼はわかっているだろう」
「……もうちょっと、理事長と話しておけばよかった」
俯いた彼の頭を撫で続ける。
「翼くんも茜くんも。もし、俺に連絡を取りたい奴が出てきたら、まずアキを通すように伝えてくれ。それ以上は言わずに。……頼めるかな?」
「わかりました」
「はい。あきクンへと導きます」
「ありがとう。大丈夫、そんな深刻そうな顔をしないで。いずれ近づくようになるよ。友達でいてくれる限り……必ず」
みんなはしっかりと頷いてくれた。
そうして、話を終えたシントは、それぞれを自宅へ送り届けたのだった。



