――……君が踏み込もうとしているものは、君よりも残酷な運命だ。それでも君は、知りたいと思うか。
もし、知りたいと思うならば……彼女に踏み込む覚悟があるのならば、君自身が彼女に近づいて知りなさい。たった独りで。
その、残酷な運命を――――。
「どういうことよ。それ……」
「そのままの意味だ。少なくともアキは、彼女に踏み込むことを覚悟したから、俺に知ってることを聞こうとしたんだろう?」
アキラはこくりと頷くだけ。言葉を発せられないからだ。
あまりにも、シントの纏う空気が……――鋭く痛い。
「まあ理事長はやさしく言ってくれたみたいだけど。遠回しに、全部知っているような人に聞くようじゃ、彼女には踏み込むことさえできないって言ってるんだよ、あの人は」
三人は、息をすることさえつらかった。それだけこの場の雰囲気が、彼の態度が、威圧的だったのだ。
「それで? アキはどうして俺に近づいた? その時点で踏み込むことを恐れているじゃないか。彼女が教えてくれないから? じゃあ全て知ってる人に教えてもらおうって? ……そんな甘い考えじゃあ残念だけど」
――一生かかったって、あいつの残酷な運命は変えられないよ。
「それから茜くん。恐らく君にしか知らないこともあるだろう」
アカネがビクリと震える。
「それも決して言ってはいけないよ。言っていい情報とそうでない情報がある。そうでない情報は、自分があの子に近づいて得なさい」
シントがそう言うと、アキラとアカネは俯いてしまう。「でも!」と、ツバサはシントに必死に声を出して聞き出そうとした。
「あの子が言ってくれるわけないじゃないですか! 教えてくれるわけがない! だからアタシたちは――」
「それはそうだろう」
ツバサの言葉に耐えきれず、容赦なくシントが口を出す。



