その文化祭についていろいろ話をしているうちに、あっという間に葵の家に着いた。
「お帰り葵」
「ただいまシント」
みんなに「じゃあね!」と言おうとしたら、「ごめん葵。少しだけシン兄を借りられないか」と頼まれ、シントと葵は思わず目が点に。みんなは最初からそうするつもりだったのか、真剣な目で訴えてくる。
「アキ、それはちょっと……」
「お願いだシン兄」
「信人さん。アタシからもお願いします」
「おれも! お願いします!」
必死に頼み込んでくるみんなに、シントはどうしようかと迷っていた。
「……ッ本当に申し訳ありません。私は『道明寺』に雇われている身ですので、勝手な行動はできないんです」
「それじゃあ葵に言う。葵、ほんの少しでいいからシン兄を貸してくれ」
葵は隠すこともせず顔を顰めた。
「アキラくん。それはできない」
「何でだ」
「じゃあ逆に、わたしがいちゃいけない理由を教えてくれ」
「それは……」
「何をしようとしているのかは想像できる。でもこれは無駄なことだ」
「……わかった」
断定する葵に、アキラは身を引くことを決めた。
「わかった。それじゃあまたな、葵」
みんなもアキラに合わせて帰ろうとした時、葵がパンッと手を鳴らした。



