そんなことを思っていると、いきなりバーン! と大きな音を立てて部屋の扉が開かれた。
「カナデくーんっ!」
そして叫び声を上げながら、何故か下を向いたままの葵がタックルしてくる。なんとか受け止めたものの、そのままの勢いでソファーごとひっくり返った。
「い、てて…………え。あ、あおい、ちゃん……?」
さっきまで話していた張本人が現れて大慌て。
「(やばいっ! か、隠れなきゃ!)」
急いで葵から離れようとするが、服をがっちり掴まれていて身動きが取れない。
「(……アオイちゃん、だよね……?)」
葵の手は、少しだけ震えているような気がした。
「あ、アオイちゃ~ん? ちょっと重いから、そこから降りてくれると嬉しいんだけどな~?」
「ごめんなさい重くて」
「いやいや~、そうじゃなくってさ~? 倒れたソファーも起こさないといけないでしょ~?」
葵の顔はクッションに埋もれていて、今どんな顔をしているのかはわからない。
「か、カナデ、くんっ」
「ん~? もう、どうし――」
たの? って。言い切る前に、ガバッと葵の顔が上がる。
「ぎやあぁっっぁああぁあ!」
そして、彼女の顔を見てた瞬間、俺は情けない悲鳴を上げた。



