すべてはあの花のために②


 そんなことを思っていると、いきなりバーン! と大きな音を立てて部屋の扉が開かれた。


「カナデくーんっ!」


 そして叫び声を上げながら、何故か下を向いたままの葵がタックルしてくる。なんとか受け止めたものの、そのままの勢いでソファーごとひっくり返った。


「い、てて…………え。あ、あおい、ちゃん……?」


 さっきまで話していた張本人が現れて大慌て。


「(やばいっ! か、隠れなきゃ!)」


 急いで葵から離れようとするが、服をがっちり掴まれていて身動きが取れない。


「(……アオイちゃん、だよね……?)」


 葵の手は、少しだけ震えているような気がした。


「あ、アオイちゃ~ん? ちょっと重いから、そこから降りてくれると嬉しいんだけどな~?」

「ごめんなさい重くて」

「いやいや~、そうじゃなくってさ~? 倒れたソファーも起こさないといけないでしょ~?」


 葵の顔はクッションに埋もれていて、今どんな顔をしているのかはわからない。


「か、カナデ、くんっ」

「ん~? もう、どうし――」


 たの? って。言い切る前に、ガバッと葵の顔が上がる。


「ぎやあぁっっぁああぁあ!」


 そして、彼女の顔を見てた瞬間、俺は情けない悲鳴を上げた。