「何叫んでたのか知らないけど、喧嘩はよくないぞ!」
「(こくこく)」
「け、喧嘩じゃないよ!」
「そうそう! 今度はキサちゃんとオウリくんなんだね?」
「よろしくー! ほら茜、名残惜しいのはわかるけど、さっさと合作の仕上げしちゃって〜」
「(こくこく!)」
「はあ〜い」
「あ! アカネくん。……よろしく、お願いね?」
「もちろんっ。またねえあおいチャンっ」
彼はいつもの調子で出て行った。
「(……ありがとう。アカネくん)」
葵は目を閉じてアカネに感謝した。
「あっちゃんは今まで何してたのー?」
「えーっと。……プロレスして、糖尿病教室して、お話ししてた!」
「??」
「最後の以外おかしいね?」
「そう? 意外と楽しかったよ?」
〈あーちゃんまだ怪我治ってないのに〉
「あーちゃん⁉︎」
「大丈夫だよ。わざとチカくんは技を掛けられてくれたんだ」
「(両手を合わす)」
「え。あっちゃん、そこには突っ込まないの?」
「うん。前からそう呼んでもらってるよ」
〈ねー♡〉
「いつの間にそんなに仲良く……」
「早く治ったら、もっといろんな技かけられるのになー」
〈あーちゃん早く治してね!〉
「そうそう! あっちゃんには重大な使命が待ってるんだからな!」
「え? なんかあったっけ?」
〈おれと試合するのー♪〉
「やっぱりオウリくん、そのためにわたしを……」
〈いつ治りそう?〉
「理由はさておき、いつ頃になりそうなの?」
「もうすぐかな? まだ青くなって少し腫れてるけど、押さえつけない限り痛くないよ。左腕も動かせるし」
〈すごい治癒力だね〉
「でもよかった。傷も痕にならないんでしょ?」
「うん。シントがしっかり治療してくれたよ」
〈変なことされてない?〉
「そうだよあっちゃん! シントさんに告白されたんでしょう?!」
「え?! 何で知ってんの⁉︎」
〈あっくんが暴露した〉
「いやあモテモテですな?」
「(シントのイメージが、どんどん崩れていくー……)」
〈それはそうと! 何する?〉
「そうだね。どうしようか~」
「じゃあ、オウリくんが打つの大変そうだから、喋らなくていいやつにしない?」
〈大丈夫だよ?〉
「でも、確かにそうよね。……じゃあ、喋ったら罰ゲームになるようなやつにしようよ!」
「例えば??」
〈トランプ?〉
「いいね! 喜べないし、悔しがれない!」
「くっ。それはつらい……」
〈違うのでもいいよ?〉
「ううん! トランプに決定!」
「じゃあ早速しよう!」
〈え? どこから持ってきたの?〉
「あっちゃん、いつの間に……」
「実はこんなこともあろうかと! 遊べる道具は手の届く範囲に置いてあるのだー!」
〈それ、食べ物だったら太っちゃう法則の一つだよ〉
「あっちゃん気をつけてね」
「な、なんで心配されてるんだ⁉︎」
〈罰ゲームは?〉
「「くすぐる!」」
〈絶対負けない!〉
「あー? 桜李くすぐり弱いんだ?」
「それは楽しみだねキサちゃん!」
〈言っておくけど
おれの無言歴は長いよ?〉
そうして、三人の間に戦いの火蓋が切られた。
<監視 その4>
キサ&オウリの場合
(※やけに動きが怪しいトランプ大会開始)



