すべてはあの花のために②


<キサ&オウリの場合>


「でも、あともう一個聞きたいんだ」

「ん? 何?」


 今度はアカネの顔が真剣になる。


「校舎裏では、何があったの」


 葵は口を噤む。


「あおいチャンへたり込んでた。それを『変になってたこと』って言ってたけど……変になったんじゃなくて、変にされた(、、、)んじゃないの」


 それでも葵は、頑なに沈黙を破ろうとはしない。


「何も言ってくれないの? おれはちゃんと、みんなには言ってないよ?」

「うん。……ありがとうアカネくん」

「そうじゃなくて! どうしたのかって聞いてるの!」

「ごめん。これは、わたし自身の問題だから」

「だから、おれには話せないって言うの」

「うん」

「心配も、しちゃいけないって言うのっ?」

「心配するようなことじゃないよ」

「嘘言わないで! 苦しそうだったくせに!」

「そんなことないよ」

「じゃあおれの目を見て話して」


 けれど葵は、アカネの目を見るのを拒んだ。


「話せない? 後ろめたいことがあるから」

「ごめんね。ありがとう」

「……っ、さっきからそればっかり! おれは、あおいチャンが――」


 そんなやりとりをしていると、生徒会室の扉が開かれた。


「んもー! 茜うるさーいっ!」
「(ぷんぷん!)」


 キサとオウリが入ってきた。