<キサ&オウリの場合>
「でも、あともう一個聞きたいんだ」
「ん? 何?」
今度はアカネの顔が真剣になる。
「校舎裏では、何があったの」
葵は口を噤む。
「あおいチャンへたり込んでた。それを『変になってたこと』って言ってたけど……変になったんじゃなくて、変にされたんじゃないの」
それでも葵は、頑なに沈黙を破ろうとはしない。
「何も言ってくれないの? おれはちゃんと、みんなには言ってないよ?」
「うん。……ありがとうアカネくん」
「そうじゃなくて! どうしたのかって聞いてるの!」
「ごめん。これは、わたし自身の問題だから」
「だから、おれには話せないって言うの」
「うん」
「心配も、しちゃいけないって言うのっ?」
「心配するようなことじゃないよ」
「嘘言わないで! 苦しそうだったくせに!」
「そんなことないよ」
「じゃあおれの目を見て話して」
けれど葵は、アカネの目を見るのを拒んだ。
「話せない? 後ろめたいことがあるから」
「ごめんね。ありがとう」
「……っ、さっきからそればっかり! おれは、あおいチャンが――」
そんなやりとりをしていると、生徒会室の扉が開かれた。
「んもー! 茜うるさーいっ!」
「(ぷんぷん!)」
キサとオウリが入ってきた。



