そう言ったらアキラは律儀にノートを開く。
「いいですかアキラくん。血糖値というのは、何も甘いものを食べると上がるというわけではないんです」
葵はまた例の眼鏡と指示棒を準備している。
「んーんー」
「甘いものには砂糖がたくさん入っているので、それは食べ過ぎたらもちろん血糖値が上がります」
そう言って葵はホワイトボードにグラフを書いていく。
「んー」
「でも血糖値というのは、砂糖に反応するんではなくて、糖分に反応するんです」
「んー?」
「アキラくん。糖分というものは、ご飯やパンなどの主食にも多く含まれているんです。アキラくんはご飯やパン、麺が好きですか?」
「んー!」
アキラはビシッ! と手を挙げる。どうやら大好きみたいだ。
「いいですか、アキラくん。そんなご飯が大好きな君が、三食食事をきっちり摂った時の血糖値はこんな風に変化します」
そう言って葵は朝昼夕の三食の後、血糖値が高くなるように波が三つあるグラフを書く。
「んーんー」
「これが普通の人のものです。ちゃんとご飯を食べた後、空腹の時間があるから血糖値は通常まで下がるんです」
「んー」
「でも!アキラくんが、そんな間食ばかりしていると!」
そう言って今度は、階段のようにどんどん高くなる血糖値のグラフを書き上げる。
「常にアキラくんの血糖値は高い状態です! どろっどろです!」
「んん!?」
「その血のせいで血管が詰まってしまいます。なので、空腹時間口が寂しいのはわかりますが、食べ過ぎはやめましょう」
葵がそう言うと、アキラはじゅぽ! っと大きな飴を取り出した。
「わかりました先生」
素直に今の説明とグラフをノートに書き留めたのだった。
<監視その2>
アキラの場合
(※糖尿病教室が開かれます)



