すべてはあの花のために②


 それに答えたのは、他でもない葵自身だった。

 即答に気後れする三人を余所に、咎めるように葵の名前を呼ぶシント。


「いいんだ」


 葵は、なるべく笑顔で答えた。


「だから、わたしはみんなと仲良くなれて嬉しい。生徒会がわたしにとっての家族も同然だ。もちろんシントもだけど」


 それでもみんなは、つらそうな表情のまま。


「……だからわたしは迎えを呼べないし呼ばない。シントも、道明寺が雇ってる身だから彼にも無理はさせられない。道明寺にとってわたし(、、、)は、駒同然だからね」


「それじゃあ今日もありがとう! バイバイ〇ーン」と言って、葵たちは屋敷の中へと入っていく。


「オレらは友達だからな! ずっと!」


 大きなチカゼの声に思わず振り返る。
 門の向こう側で、オウリとヒナタも頷いているのが見えた。


「……ありがとう」


 小さな感謝とともに、葵は道明寺へと帰って行ったのだった。