脳内さんとの会話を遮るように、チカゼに呼ばれる。ガーゼや包帯だらけで、見ているだけで痛々しい。
「(君を巻き込んでしまって、本当なんて言ったらいいか……)」
傷の具合を確かめたかったが、彼の雰囲気がそうはさせてくれなかった。
「オレは昨日あったことを話した。お前が隠してたことも全部だ」
「――――」
「不十分なところがあったからオレらにも言え。わかったな」
口調は強いが、滲み出るやさしさと心配に、心の底から反省した。
あの時きちんと話していれば、彼がこんな大怪我を負うことはなかったかもしれないのだ。
「(……すべてを背負うのは、わたしだけで十分)」
葵はゆっくり閉じていた目を開く。
「わかった。わたしも全部話すよ。何でも聞いてくれ」
葵の意思は、決して揺らぎはしないのだから。
「ある程度はチカくんが話してくれたんだよね?」
「そうだ」
「……じゃあ、どこが不十分だったかな」
「最初からお前が狙いだったと知っていたのか」
アキラの問いかけに、葵は悪びれる様子なく頷いた。すると、みんなの表情が険しくなる。
「じゃあ、伝言って何?」
キサの問いかけに、葵はあの時のことを思い出すように目蓋を下ろす。
「体育祭で襲ってきた三人が、あまりにも弱かったから……」
「……弱かったから?」
「その依頼主とやらに、『こんなもの通用するとでも? やるならとことんやりなさい。自分じゃ何もできないヘタレさん』と、そう伝えておいてくださいなって。……ごめん。ちょっと調子乗りました」
目蓋を上げると、みんな顎を外す勢いで口をあんぐり開けていた。
「ねえ、やっぱりアンタ馬鹿でしょ」
「ええっ!?」
ツバサにそう言われて、「ずみまぜんっ」と深々謝っておく。



