すべてはあの花のために②


 動揺している葵を余所に、その真っ赤になったほっぺたにツバサが触れようとしたところで、アキラ、チカゼ、アカネ、オウリ、キサが止めに入ってくれた。どうやら生徒会室の前まで来てたらしい。


「触るぐらい別にいいじゃない。……ねえ?」

「?! よ、よくないっ!」

「さっきあんなに真っ赤になってたのはどこの誰よ」

「!?」


 生徒会室に入ると、カナデとヒナタがソファーで寛いでいた。


「(……来るの戸惑ってたけど、ツバサくんのおかげで気が紛れた)」


 ツバサを見上げると、それに気づいたようで「何よ」と照れ混じりな声が返ってくる。


「ううん。……ありがとう」


 そう言う葵に、ツバサは呆気にとられた。


「何? キスして欲しかったの?」

「ちっがーう!」


 違う風に勘違いされた。


「コントはいいから早く座れば」


 そして、やっぱり悪魔さんは容赦なかった。


「あ、あっちゃん大丈夫?」


 でも、やさしい女王様のおかげで、心は予想以上に穏やかだ。


「うん。痛いけど骨に異常はないし、しっかり治療してもらったから痕も残らないと思うよ」

「シン兄に手当てしてもらったのか」

「え? うん。そうだけど……その話ってしても大丈夫なの?」

「大丈夫だ。みんなにはもう話した。シン兄にも伝えておいてくれ」

「う、うん。わかった」

((ダイジョウブ? また隠しキャラ的存在が薄れていくーとか、言いそうじゃない?))

「(や。そうなんだよ。心配すべきはそこで)」

「おい」