すべてはあの花のために②


 話を聞いたみんなは、そんなことがあったのか……と唖然としていた。


「でもさ、本当に執事なの」

「ん? 日向、執事の恰好してたじゃないか」

「いや、それにしては馴れ馴れしかったなと」

「馴れ馴れしい?!」

「あ。それオレも思った。頭くっつけてぐりぐりしてたし!」

「ぐりぐり!?」

「そういえば。結構べたべたしてたわね……」

「(べたべた!?)」

「まあそうだろう」


 アキラが冷静にそう言う。
 そしてアキラはみんなを見渡してにやりと笑い。


狙ってる(、、、、)のは、俺たちだけじゃないってことだ」


 みんなが叫び始めたので、アキラは「うるさい」と耳を塞いでいた。


「この間は俺と会う前、車の中で葵に許可もなく抱き合ってたし」

「抱き合ってた?!」

「終いには告白したらしい」

「告白!?」


 大きな爆弾を落としたアキラの胸倉を掴みながらチカゼが、「おいッ! なんでアキはそんなに冷静なんだよ!」と、揺らしながら言う。