話を聞いたみんなは、そんなことがあったのか……と唖然としていた。
「でもさ、本当に執事なの」
「ん? 日向、執事の恰好してたじゃないか」
「いや、それにしては馴れ馴れしかったなと」
「馴れ馴れしい?!」
「あ。それオレも思った。頭くっつけてぐりぐりしてたし!」
「ぐりぐり!?」
「そういえば。結構べたべたしてたわね……」
「(べたべた!?)」
「まあそうだろう」
アキラが冷静にそう言う。
そしてアキラはみんなを見渡してにやりと笑い。
「狙ってるのは、俺たちだけじゃないってことだ」
みんなが叫び始めたので、アキラは「うるさい」と耳を塞いでいた。
「この間は俺と会う前、車の中で葵に許可もなく抱き合ってたし」
「抱き合ってた?!」
「終いには告白したらしい」
「告白!?」
大きな爆弾を落としたアキラの胸倉を掴みながらチカゼが、「おいッ! なんでアキはそんなに冷静なんだよ!」と、揺らしながら言う。



