すべてはあの花のために②


 その後、警察が到着し、チカゼとキサは詳しい経緯を話していた。その様子を、後から来た三人は傍目に見ながら、先程のことを話している。


「……ねえアキくん。さっきのって……」

「ああ。行方不明になってた兄だ」

「そのお兄さんが、どうしてあの子の執事やってんのよ。というかどうして、アンタはそんなに驚いてないわけ」


 アキラは一度、目を閉じた。言おうか言うまいか、考えるように。


「すうー……」

 ――ペシッ!
 ――バシッ!!

「はっ!」


 アキラの寝た振りは失敗に終わった▼


「アキくん。もうその手は通用しない」

「いい加減にしなさいよアキ」

「……話せば長くなるんだが」

「じゃあ今日はアキくん家に泊まりで」

「徹夜か……」


「そんなに嫌なの?!」と言う九条兄弟に、アキラはクスッと笑う。


「いや、ただこの話には葵が必要不可欠なんだがなと思っただけだ」

「まあ、そうかもしんないけど」

「それよりもアンタ、アタシたちに話してないことあるでしょ。イヤーカフの時のこと」


 突っ掛かってくるツバサに、アキラは素直に嫌そうな顔をした。


「翼キライ」
「はああん?!」
「まあまあ」


 アキラに掴みかかろうとしているツバサを、どうどうとヒナタがしばらくの間落ち着かせていた。