すべてはあの花のために②


 そう言うと一呼吸置いて、「ええーっ!?」とみんなから驚きの声が上がった。


「でも、今日はこの辺にさせてください。アキ、詳しくは千風くんに聞いて。葵は連れて帰るから」

「し、シン兄」

「そのことなら今はいい。これは葵のせいだから。アキたちが気にすることはない。でも、みんなが無事でよかったよ。葵も、……よく頑張ったね」


 シントは両手が塞がっているので、頭を葵の頭にぐりぐりと押しつけてくる。ほんの少し、甘えるように。


「そういうことなんで、今日は連れて帰ります。千風くん。君も大怪我だと思うけど、もう少し頑張れ。その後手当てしてもらいなさい。翼くん日向くんは紀紗ちゃんについていてあげなさい。……それじゃあアキ。後は頼んだよ」


 そう言うやいなや、シントは葵を抱えたまま闇の中へと姿を消した。