すべてはあの花のために②


「……あおいチャン、本当に大丈夫?」


 葵とカナデは帰り支度をしていた。


「うんっ。もう大丈夫だよ! ん〜一体どうしたんだろうねえ。まあ気にしないで?」

「あおいチャンがそう言うなら……」

「それはそうと! アカネくんはしっかりこれからのことを話すんだぞ! ……みんな、素直にね?」

「わかってるってばあー!」

「じゃあアカネ、明日それ持ってきてね」


 カナデは、今朝必死に担いできた大荷物を指差す。


「え? 今から返しに行かないの?」

「流石に俺の体力と筋力が持たないから、それは無し」


 葵の軟弱リストに、カナデが堂々と加わった。


「かなチャンいい? 変なことしたら許さないからね!」

「大丈夫だってー。俺はそんなことするような奴に見えるんですかねー」

「「もちろん」」

「即答ですか。ま、いいけど。じゃあアオイちゃん、帰るよ」


 するとカナデが、何故か葵の前にしゃがみ込んだ。


「へ? どうしたの? 今頃になって顔面痛い?」

「それはもういいから。早く乗って」

「ええ!? 嫌だ嫌だ! 絶対に無理!」

「乗れ」

「っ、……だ、ダメだよ! わたし重いし! それに家まで行く気――」


 でしょう?! と言い切る前に、腕を捕まえられて引っ張られる。彼の背中にぶつかった勢いで、そのまま乗せられた。


「ちょ、カナデくん!!」

「じゃあアカネ。また明日」

「じゃあねえ〜!」


 カナデはそう言って道場を後にした。