すべてはあの花のために②


「……はは。なんだか、夢みたいだ……」


 そして、その笑いが収まりそうになった時。アカネがぼそっと、そんなことを言っていた。それが聞こえた葵は、「そうだよ」と答えてあげる。


「だって、夢みたいって言えるってことは、現実になってるってことでしょう? 夢みたいってことは、ちゃんと叶ってるんだよ。アカネくん」


 葵の笑顔に、アカネは目に涙を溜めながら笑った。


「……っ、うんっ。そうだねっ!」


 ほんのり、頬を染めて。