「っ、はあ。……あおいチャン、だいじょうぶ……?」
投げ飛ばされた葵はというと、畳の上で大の字になって息を整えていた。そんな葵を、座り込んで上から心配そうに覗くアカネ。
「あおいチャン……ありがとお……」
「はあっ。……言えて、よかった。どう、いたしましてっ」
二人はしばらく笑い合っていた。
そして葵はアカネに引っ張り起こしてもらって、みんなのところへ向かう。
「だ、そうですよ。チガヤさん、ナズナさん、それにアサジさん。この子、今とっても嬉しいそうなんです」
流れ落ちる汗を拭きながら笑顔でそう言うと、みんなは苦笑い。カナデはというと、「二人ともすげー」なんて言いながら呆然としていた。
「でもおれ! 高校卒業したらすぐに道場を継ぐよ! そんなことみんなが思っててくれたなんて知らなかったから!」
アカネはみんなにとびっきりの笑顔でそう言う。それに葵が、付け加えた。
「チガヤさんナズナさん。もう一つ、あなた方が思ってて言えなかったことがあるんですよね? 今がその時では?」
葵の言葉に、その場の全員が驚いたように目を見開く。
「……いやいや。そこまで君はわかっていたのかあ」
「いや~! やっぱり今度お茶でもしましょう! ね!」
ナズナに握手を求められ、ブンブンと振り回されながら、「ぜ、ぜひ〜……!」となんとか答える葵である。
「も、もう一つって?」
アカネの質問に、父母は佇まいを正し、アカネとアサジを交互に見つめる。
「お義父様、もしすぐにこの世界から抜け出したいのなら、あたしたちがお手伝いします」
「……どういうことだ」
そして二人は視線を合わせて、大きく頷く。
「「おれ(あたし)たちが、道場を継ぎます」」



