「かあさん? え。お仕事は……?」
「今日はもう上がらせてもらったから大丈夫よ?」
「ど、どうして?」
「あなたの大好きなあおいさんから、電話をいただいたの」
アカネとカナデは、弾かれたように葵の方を向く。
「あおいチャン、一体。何のために……?」
「それはわたしが話さなくてもいいことでしょう? アカネくんは、自分が知らないことをきちんと聞いてみて。アカネくんが素直になったんだから、彼らも素直になるはずだから」
葵はただ、ふわりと笑うだけ。
アカネは頭の中がパニックだったが、次の一言で、一気に目が覚める。
「おれは、事故で足が動かなくなったわけじゃないんだよ」
「え?! どういう、こと……?」
「あかねはまだ小さかったから。本当のことは言わなかったの。これはあたしたち三人で決めたことよ」
アカネを宥めるようにナズナが答えた。
「でも、もうここまで大きくなったんだ。もう言ってもいいよな父さん」
「……お前がいいなら。わしは……」
チガヤはアサジに承諾を得る。
「……この怪我はな? ここの生徒にやられたものなんだよ」



