「あ。意外と楽しいかも……」
「いひゃいからあー……!」
その横でチガヤは「え? あの子どうしたの?」とカナデに聞いているが、「俺との当たり方が違う」とショックを受けてるようで、それどころではなかった。
そうしてようやく解放するとほっぺを摩りながら、涙を溜めたアカネが「もお! 何すんのさ!」って可愛く怒ってきたので鼻血が出そうになった。
「話を聞かせてくれてありがとう。それとチガヤさんも。こちらに留まってくださって、ありがとうございました。お話を聞かせてもらって思うことがありましたので、今度はわたしから、お話をさせていただければと思います」
葵がそう言うと、三人はゴクリと唾を飲み込んだ。
「まず、どうしてその話をするのに、お祖父様の姿はないのでしょうか」
「え? 今、おじいちゃんは道場にいて……」
「違うよアカネくん。君の本当の夢を語ってくれたこの場に、どうしてそれを妨げているお祖父様を呼ばなかったのか、わたしは聞いてるの」
「そ、れは……」
葵には、アカネの話がこう聞こえていたのだ。
『おじいちゃんが怖くて刃向かえないから、嫌々おれはそのレールの道を行っている』と。
「……ちゃんと、お祖父様とその話をした? 確かに、アカネくんの行動一つで人に危害を与えるお祖父様にも腹が立つけど、だからってそれを怖がっていて小さくなっている君にも、ものすごく怒ってるんだわたしは」
「でも君は可愛いからほっぺで我慢したんだ……」と、変なところで我慢して握り拳を作りながら訴えた葵は、さらに続ける。



