すべてはあの花のために②


「……ばかだなって、思う?」

「ん?」

「こんなことしてたって。……何にもなんないのに」

「そんなことないよ」


 自分でも愚かだなと思うのに。その人はただ、笑って肯定してくれた。
 だから、守りたい。そして、……償いたい。

 自分の心に言い聞かせる理由なんて、それで十分。


『それに、わたしはただのはけ口じゃないからね!』


 ……でも。どうしてなんだろうね。



「……なんか。眩しいや……」


 彼女がいれば、夢のない世界も……悪いものじゃない気がするんだ。