「……ばかだなって、思う?」 「ん?」 「こんなことしてたって。……何にもなんないのに」 「そんなことないよ」 自分でも愚かだなと思うのに。その人はただ、笑って肯定してくれた。 だから、守りたい。そして、……償いたい。 自分の心に言い聞かせる理由なんて、それで十分。 『それに、わたしはただのはけ口じゃないからね!』 ……でも。どうしてなんだろうね。 「……なんか。眩しいや……」 彼女がいれば、夢のない世界も……悪いものじゃない気がするんだ。