葵は今から帰ることをシントに連絡をして、一息つく。今日はアカネとカナデに送ってもらっていた。
「あおいチャン。もしよかったら、明日少し時間もらえる?」
アカネが後ろで腕を組みながら聞いてくる。明日は今日の振替休日だ。
「で、デートですか?」
「うーん。じゃあ、お家デートと行きますかあ!」
「ど、どうしよう。お家の方に何か持って行った方が……」
「いらないいらない。手ぶらで来てくれたらいいよー」
彼はそんなことを言うけれど、せめてお茶菓子は持っていこう。
「あ、ついでにかなチャンも連れてくるといいよ?」
「ねえーかなチャンっ」とアカネはカナデに話しかけているが、当の彼はというと「え? なんで?」と首を傾げていた。
「え! かなチャンがあおいチャンとのデートに文句言わないなんて!」
「ええ?! アオイちゃんとデート?! 俺も行く!!」
どうやら話を聞いていなかったようで、早速食い付いていたけれど。
「それじゃあ、11時に駅で待ち合わせねえ~」と、アカネとは途中の交差点で別れ、今はカナデと二人きり。先程から少し心ここにあらずの彼に、「今日は楽しかったねー」と声をかけると、「うん。そうだねー」と軽い返事は返ってくる。
「カナデくんって変態だよねー」
「アオイちゃんには負けるよー」
「どこ見てんのー」
「アオイちゃんしか見えてないよー」
「何探してんのー」
「アオイちゃんへの愛だよー」
「さっきの話してからちょっとカナデくんおかしくないー?」
「そんなこと全然ないよー」
「さっきの依頼主にでも心当たりがあるのー?」
「全然ないよー」
「じゃあ三人に心当たりがあるのー?」
「それもないよー」
「わたしあいつらにいろんなとこ触られたんだけどー」
「そんなことな……――はあ?!」



