「それだけ聞いて回し蹴りしたら、ものすごい怖がられて逃げられたんだけど……」
みんなは顔を真っ青にして無言になった。
「はあ。……それで? オレの嫌な視線が当たってたから、さっきは謝ったわけ」
「うん。その通りで」
そう返すと、ヒナタは再び大きなため息をついた。
「それで? その仕掛けてきた奴らは、あんたが目的だったわけ?」
その質問に対し、葵は「そこまでの目的は聞けなくて」と濁しておいた。
「(彼らの目的は紛れもなく『わたし』で間違いない。でも、みんなが犠牲になるのだけは何としてでも避けないと……)」
するとアキラが、「見た目の特徴とか、その他覚えていることがあったら教えてくれ」というので、葵は一瞬悩んだ後ぽつりぽつりと話した。
「一人は赤い髪で、オールバックにしていて腰元まで円を描くような感じの髪。一人は水色の髪で肩につくくらいでセンター分け。この二人の服装は長靴を履いて胸元に『R』の文字が入ってた。そして最後の一人は」
「ちょっと。アンタまさか、最後の一人は二本足で歩くしゃべるネコなんて言わないでしょうね?」
「え! すごいツバサくん! なんでわかっ――」
「ロケ〇ト団じゃないのよっ!」
ツバサを始めみんなに総突っ込み。オウリにはため息を吐かれてしまった。
「葵、こっちは今真剣に聞いてるんだが」
「ごめんなさいアキラくん。実は敢えて覚えなかったの。常習犯なら見た目くらいすぐ変えるだろうと思って」
「……じゃあ、その時何かされたか」
「ううん動きを封じられただけ。それを聞いたらすぐ回し蹴りしたから」
間髪を入れず答えると、みんなはほっと安堵していた。一人を除いて。加えてその一人に至っては、どんどんと顔色が悪くなっていた。
「わかった。今後見回りの時は絶対一人になることがないように。そして帰りも絶対誰かと一緒に帰ること。しばらくは全員が全員を守ることに専念しよう」
アキラはそう言って、みんなを解散させた。葵も、隠れて安堵のため息を落とした。



