すべてはあの花のために②


 その心意気が眩しくて、葵は去って行く彼の大きな背をじっと見送っていると、体育館の壁からひょこっとオウリの姿が。


「オウリくん! もしかして話聞いてた? まあ、みんなにも話すつもりなんだけど……」

〈今来たとこだから全然話聞いてないよー〉

「そっか。今片付けはどのくらいできたかな?」

〈もう終わったから
 今は業者の方に挨拶とお礼のお菓子とか渡してた♪
 そしたら親方がいねえ! ってなって呼びに来た♡〉

「申し訳ない! 早く戻ろっか!」

〈うん! あ、それと
 あーちゃんの話を聞かせろって
 みんな目が怖かったよ?〉

「まじか。行きたくないなあ……」


 がっくりと落ち込む葵にオウリはクスッと笑う。


〈大丈夫だよ?
 みんなあーちゃんが心配だったから
 そんな風になってるだけ
 友達だからね♪
 あーちゃんは早く話してあげて?
 それでみんなで対策立てよ?〉

「うんっ。そうだね! じゃあ、急ごっ」


 葵は気遣いの天才とともに、駆け足でみんなのところに戻っていった。