その直後、今度は上半身裸の1年生が入場。相変わらず黄色い声援だ。
棒倒しは、三クラスに分かれて三方向一気に倒しに行くのだが、どうやらABクラスはこれ以上Sクラスに点数を持って行かれたら不味いと結託したのか、先にSクラスの棒を倒しにかかる。
二クラス分の人数を相手に守り切ることができなかったSクラスは、あっという間に沈んでしまい、AとBの一騎打ちに。
三人はしょんぼりしているように見えたが、ヒナタは先程から眉間に皺を寄せたままの状態だった。
「(嗚呼。ウサギさんとネコさんがしょんぼりしてるう……)」
今の姿を写真に収めたかったと思って、指でカメラのポーズを取ると、「何してるんだ?」とアキラが話しかけてくる。
「このシーンをね、心のカメラに収めようと思って」
「それなら文化祭の日に貼り出されるはずだ。そこで自分が欲しい写真を頼めるよ」
「そうか! その手があった!」
「じゃあそうすることにする~」と大喜びしていると、ふっとアキラの表情がやわらかくなる。
「やっと笑った」
「え?」
「お前もここ、ずっと力入ってる」
そう言ってアキラは葵の眉間をつんと突く。
「そ、そっか。気をつける」
「俺は、お揃いみたいで少し羨ましいけど」
「ん? 何が?」
「あいつもずっと、力入ってるから」
アキラは、競技中のヒナタを指差していた。
「葵は可愛い顔が台無しだから。笑ってる顔の方がずっといい」
「っ、ぅえ!?」
加えてそんなことをさらっと言い出すので、ビックリして顔が真っ赤に。
「ちょっと! こっちは真面目に仕事してんだから! そこでイチャつかないでくれる?!」
点付け中のツバサが視線を競技から外さずにそう言うが、アカネとカナデはこっちをガン見してきていた。
「「……ごめん」」
「「「否定して!」」」
みんなから総突っ込みされたが、一番遠くにいたキサは「あらまー!」と楽しそうに笑っていた。



