「ここまで素直に言っていただいて、大変ありがとうございます」
お礼を言い出す葵に、三人はわけがわからず思わず身構えた。
「どなたから依頼されたかは知りませんが。そんなに情報を喋っちゃって、よかったんですかね?」
「お、お嬢ちゃん何言ってんだ。俺らとこんなことしたなんて、誰にも言えないだろう?」
「そ、そうだぞ。襲われたなんて、女に傷が付いちゃ――」
「そんな相手のこと心配してる前に、自分の心配したらどうですか?」
「はあ? 何言っ――」
葵は押さえ付けられていても物ともせず、急に体を前に倒し、三人を思い切り振り払う。
「あなた方がこんな人気のないところへ連れてきてくださったおかげで、わたしも本領発揮させていただくことができます。どうもアリガトーゴゼーマス」
「はあ!?」
「ああ、こんな少女にボッコボコにされるなんて? それこそ男のプライドに傷付くようなこと、誰にも言ったりできませんよ……――ねえ!」
そうして葵は、三人一気に回し蹴りを食らわせた!
三人はというと、何が起こったのかわからないまま――ドンッと塀に貼り付けにされる。急変した葵に、彼らは完全に恐怖で震え上がった。
「……さあ? お待ちかねですよ」
――わたしと、いいことしましょうか。



